噛めば噛むほど深まる旨さ!
熱き職人の工房で自ら仕込む原木生ハム

豚の骨付きモモ肉1本に粗塩を擦りこみ、
1年以上の熟成期間を経てできあがる生ハム。
この本格的な生ハム工房に足を運び、
食すだけではなく自ら生ハム作りを体験してみませんか。

更新日:2020/07/31

LINE Twitter Facebook

長野県は生ハムづくりに適した地

ここ数年、長野県各地で生ハム工房のオープンが相次ぎ話題です。生ハムとは皮を取り除いた豚の骨付き肉(原木)に、塩を擦りこんで熟成させたハム。スペインでは「ハモンセラーノ」、フランスでは「ジャンボン」、イタリアでは「プロシュート」と呼ばれます。
日本国内で本格的な製法による生ハムが作られているところはまだ少なく、その中でも近年注目されいるのが長野県なのです。また、長野県産生ハムの材料は、夏の暑さと湿気によるストレスがかからない環境でのびのび育った地元のブランド豚です。おいしくないわけがありません。
お土産としても最高ですが、長野県産の優れた材料による本格的生ハム作りを体験し、自身が仕込んだ原木を1本丸ごともらえる生ハムオーナーを募集している工房もあり、生ハム好きにはたまりません。

「生ハム工房 豚家 TONYA」で、自分の原木に塩の擦りこみを行う「生ハムオーナー」のみなさん

オーナー制度は、冬の気温の低い時期に、血抜きや塩の擦りこみといった仕込みをオーナー自身が行い、工房で1年以上、なかまでしっかり熟成するよう管理してもらうといったスタイルです。
スペインやイタリアの産地の気候に近い長野県の高原は、肉の熟成にとって理想的な環境であり、菌の力を借りて旨味を増していきます。
工房ごとに材料と製法にこだわりがあると聞けば、いろいろな生ハムを試してみたくなりませんか。

キャプション:原木は最後にこのように、すっぽりと塩にくるまれてしまいます

ワイン用ぶどう栽培のカリスマが贈るハモンセラーノ

ワインぶどうの栽培に適した地勢で、ワイナリーの立ち上げや新規就農で盛り上がりを見せる県北部の高山村には「生ハム工房 豚家 TONYA」があります。
皮を剥いでから塩漬けし、少し長めに熟成させる「ハモンセラーノ」の製法でつくられた生ハムのおいしさに感動したワインぶどう栽培家・佐藤明夫さん。秋田県の工房で修業したのち、「ハモンセラーノのおいしさをもっと知ってもらいたい」と、2013年にこの工房を立ち上げました。
ワイン用ぶどうのピノ・ノワールの畑が広がる標高830mの土地を利用した工房で、豚肉は「信州オレイン豚」「みゆきポーク」「幻豚(げんとん)」といった長野県産のみ。粗塩だけで仕込む熟成期間を経て、この土地の冷涼な空気で、乳酸菌やカビによる熟成を一年かけて待ちます。
製法に改良点を加えた際には、スペインの一流工房に自ら赴きアドバイスをもらうなど、最高に旨い生ハムをつくるため、つねに努力を惜しまない佐藤さん。「いつかはスペインの工房のように豚から育ててみたい」と、ワインの里から豊かな食文化をつくる夢が広がります。
「生ハムオーナー」になると、生ハムの仕込み(レクチャー&試食付き)を体験することができ、十分に熟成したものが1、2年後にはお手元に。毎年秋に行われる「生ハム完成パーティー」には、全国から生ハムオーナーが集まり、生ハムとワインの宴を楽しみます。

餌にこだわって飼育されたオレイン酸豊富な豚肉を使うことがおいしさの秘密。
生ハムオーナーになることで、自分で生ハムを仕込み、数年かけて熟成を待つというかけがえのない体験ができます

フレンチのシェフとつくる麹菌発酵の生ハム

標高1,500mの蓼科北白樺高原姫木平には、元フランス料理のシェフでもある藤原伸彦さんがオープンした「メゾン・デュ・ジャンボン・ド・ヒメキ」があります。
姫木平が、フランスやスペインの産地に気候が似ていると気づいたことをきっかけに、生ハムづくりに挑戦したという藤原さん。スペインのハモンセラーノの製法をもとに、フランス料理での経験を生かして取り組んでいます。毎年さまざまな改良を重ねていますが、酒蔵の杜氏である友人に勧められて麹菌を試してみたところ、麹菌による発酵と長期熟成により、ナッツのような香りと凝縮された旨味を味わえる納得いく生ハムができあがりました。
生ハムづくりのワークショップは、気温が5℃以下になる11月から2月末まで開催されます。豚肉は「信州太郎ぽーく」「安曇野放牧豚」「大町黒豚」「雅(小谷野豚)」「悠(大町黒豚)」の5種類で、どれもジャンボン(もも肉)、またはパレタ(前脚)から選べます。
メゾン・デュ・ジャンボン・ド・ヒメキの製品を食べてみたい方は、長和町の「マルメロの駅ながと」内「とびっ蔵」で買うこともできます。

厳選された豚肉をじっくり熟成。素材の良さをしっかり感じられて、かつエレガントな味わいに
写真提供:メゾン・デュ・ジャンボン・ド・ヒメキ

長野県の確かな素材から生み出す生ハム

八ヶ岳山麓標高1,300mにある「八ヶ岳食工房」は、音楽業界で長年働いていた加藤公貞さんが切り盛りする、ショップとカフェを併設した生ハム工房です。長年、縁があった原村で、日本の風土に合った独自の生ハム製造の研究を重ね、2012年に工房をオープン。原材料にもこだわり、信州南アルプス山麓の豊丘村産「信美豚」や北アルプス山麓の池田町産自社オリジナル「信州吟醸豚」に、沖縄産100%海水塩を使って生ハムを仕込んでいます。
原木の製造は、塩漬けして余計な水分を抜き、麹菌を入れてから4日間ほど冷燻(低温での燻製)を行った後、約3カ月間、平均湿度40%以下の天然環境下で保存し、発酵菌による長期熟成で完成を待つというもの。
自分の生ハム(原木)をつくることができる「マイ生ハム倶楽部」もあり、製造がはじまる10月下旬頃を皮切りに、北海道から沖縄まで、日本全国から「マイ生ハム」を求める方が工房にやってきます。
八ヶ岳食工房の生ハムや生ハムソーセージなどのオリジナル商品は、直営ショップで購入できるほか、4月下旬~9月下旬にオープンするカフェでも味わうことができます。

長野県産ワインや日本酒に合う「マイ生ハム」を、とっておきの日の食卓に。
お気に入りのパンやチーズと一緒にどうぞ
写真提供:八ヶ岳食工房

長野県ならではの、贅沢なグルメ旅行はいかが

ところでヨーロッパを発祥の地とする生ハムはワインと一緒に語られることも多く、実際に良く合います。実は長野県はワイン好きにも注目されていて、新しいワイナリーが次々とつくられているのです。生ハム工房とその近隣のワイナリーをはしごする、贅沢なグルメ行脚もおすすめです。

詳しくはこちら

併せて訪れたい、レストランまたはショップ併設のワイナリー

おすすめの記事

この体験をシェアする

LINE
Twitter
Facebook