新旧が同居する
上田城下の宿場町で
ゆるやかな時間旅行を

北国街道の歴史を繋ぐ宿場町「柳町」。
300mほどの小さな通りには
古い町家を生かした食事処やカフェが集まり、
古さと新しさが共存する心地のよい空間となっています。

更新日:2020/07/02

LINE Twitter Facebook

宿場の風情が残る石畳のまち

上田駅からまっすぐに伸びる中央通りを、一歩西にそれたところにある小さな通りが「柳町」。江戸時代には旅籠や呉服屋、酒屋などが軒を連ね、北国街道を行き交う旅人にひと時の休息をもたらした宿場町です。今、その旧街道沿いに老舗の酒蔵や天然酵母のベーカリー、ブックカフェなど、個性的な店舗が集い、地域のコミュニティーとしての新たな魅力を見せています。

江戸期の面影を残す白壁の町並みが印象的な柳町

白い土壁に格子戸やうだつの上がる町並みは、訪れる人を遠い江戸の旅路に誘うよう。明治期の呉服屋をそのまま利用する喫茶店「森文」、絹問屋の建物を再生させたそばの名店「おお西」など、町家再生の町としても知られ、築200年に渡るほどの建物の来歴を伺うだけでも楽しそうです。2002年には「柳町まちづくり景観協定」が締結。この先の未来にも、通りや建物の風情あるたたずまいは長く残されていきます。
端から端まで歩いても300mほどなので、ちょっとした散策にもおすすめです。石畳が整備され、車いすの方や高齢の方が訪れやすいのも魅力。柳の枝を揺らす風を感じ、一つひとつのお店をのぞきながら、通りが紡いできた歴史物語を堪能してください。

森文

明治期の重厚な商家で、昔ながらの喫茶メニューを用意。昔ながらの中華そばやおこわなど、体と心に染み入るランチをいただけます

おお西

街道筋に湧く保命水の脇に立つ、石臼自家製粉・十割打ちそばの名店。発芽したそばの実で打ち上げる独自の発芽そばも評判です

通りの歴史を受け継ぎ
育ててきた名店たち

1665年創業、350年以上に渡り銘酒を醸す岡崎酒造は、江戸の空気を今に伝える柳町の代表的存在です。女性杜氏の岡崎美都里さんとご主人の謙一さんが二人三脚でが手造りする銘酒「信州亀齢」は、そばに合う繊細な飲み口。重厚な「亀齢」の看板と共に軒につるされた杉玉が、老舗蔵の趣きを感じさせます。

創業から350年以上、変わらぬ細やかさで伝統を守る岡崎酒造。
長野県の水と米からつくる銘酒「信州亀齢」は多数の受賞歴を誇ります

手づくりの洋食やケーキとともにノスタルジックな雰囲気を味わえるのは、喫茶の「森文」。格子戸をくぐるとジャズのメロディーがゆるやかに流れ、日常のせわしなさを忘れさせてくれます。こちらの建物の前身は、明治期から残される呉服屋の「森田屋」。店内にちりばめられたアンティークな小物と合わせ、ひととき〝古き良き時代〟にタイムトリップできるでしょう。 森文の隣、「ルヴァン信州上田店」は、天然酵母パンの先駆けとして知られる名店「ルヴァン富ヶ谷店」と同じく、上田出身の甲田幹夫さんが立ち上げたパン屋です。築100年の町家を改装した店内で購入できるのは、国産小麦の全粒粉と自家製酵母を使った味わい深いパンの数々。町家の2階に畳敷きのイートインスペースがあるほか、店舗奥には蔵を改装したカフェがあり、地産地消のランチを味わえます。通りをさらに北へと歩くと、格子戸の連なる白壁・黒瓦の建物が。保命水のすぐそば、重厚感ある蔵を生かしたこの「手打百藝 おお西」には、名人の打つそばを求めて全国からファンが訪れます。
それぞれの店主、オーナーのこだわりや想いの詰まったメニューを味わいながら、建物の風格に触れる…それも柳町の旅の楽しさです。

人気のカンパーニュをはじめ、くるみパンやあんパンなどの
天然酵母パンを量り売りするルヴァン信州上田店。
ランチやカフェ利用も可

歴史薫る柳町のなかで、
紡がれる新たな出会い

柳町の雰囲気に惹かれ、空いた町家をリノベーションして新たに出店する店舗も増えています。2011年には東御市の個人ワイナリー「はすみふぁーむ&ワイナリー」が、アンテナショップをオープン。ワイン樽をテーブル代わりにした洒落た店内で、ワインのテイスティング(200円~)ができるほか、2階では地元の野菜や食材を生かしたランチプレートを味わえます。築100年の蔵を再生し、南欧風のランチ・ディナーを提供する「KURAYA」も人気です。ワインや薬草酒、クラフトジンなど多彩に用意。できる限り地元産・自家製にこだわった各種メニューやアラカルトと合わせて、至福のひとときを味わえます。

「はすみふぁーむ&ワイナリー」では、ワインの購入やテイスティングのほか岡崎酒造の酒粕を使った鶏ハムなど地元の味を盛り込んだランチも人気

柳町の観光支援も担う「上田ブランド研究所」では、地元観光資源の発掘・調査やそのプロモーションを行うラボを、通りの中心に構えました。敷地内では新しい地域ブランドの創出を目指したコラボカフェ「柳町屋」も運営中。JA信州うえだの認定リンゴ「真田REDアップル」と青山養鶏場の卵、長門牧場の牛乳を使った「アップルたまごタルト」や「真田REDアップル」の100%ジュースなど、地元のおいしさが詰まったスイーツが魅力です。

地域の特産品や職人技のコラボを目指す「柳町屋」。
ブランドリンゴの「真田REDアップル」など上田地域の新たな魅力を発信しています

通りの南端に近い町家を改装し、2016年にオープンしたのは、本好きの心をくすぐる小さなブックカフェ「コトバヤ」。洋書から画集、絵本、クラフト雑貨まで、コトバや色、デザインの力を感じさせてくれるモノたちが並び、店主の高橋さとみさんの想いを伝えてくれるようです。

柳町に新しい風を吹かせる店のひとつであるブックカフェのコトバヤ

はるか江戸の昔から人びとが出会い、集い、再会を約してきた柳町。数百年の想いを引き継ぎながら、今もゆっくりと未来へと向かう歴史を紡いでいます。

柳町の主なスポット

おすすめの記事

この体験をシェアする

LINE
Twitter
Facebook