のんびり田舎道も、
本格派のサイクリストも。
長野県だからできる自転車の楽しみ方

元マウンテンバイク日本代表チーム監督でスポーツ科学の博士でもあり、
長野県の「地域サイクルツーリズム推進コーディネーター」も務める西井匠さん。
自転車で長野県を走る魅力を聞きました。

更新日:2020/08/03

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田舎道も、山岳も。
自転車を通じて味わう長野県の魅力


2008年の北京オリンピックMTBチーム監督を務め、自転車と健康を科学する研究者としても活躍する西井匠さん。自転車を使ったガイド付き観光サイクリングツアー「cazacle(カザクル)」もプロデュースしていることから、長野県の「地域サイクルツーリズム推進コーディネーター」として、県下各地で自転車に乗ってゆっくりと田舎を楽しむスタイルの旅の開発に取り組んでいます。

西井さんは選手としての経験だけでなく、元大学教員としての専門知識を生かして
フィッティングやプライベートレッスンなどを行う。
「サイクリストの秘密ラボ・flasco」主宰(写真提供:cazacle)

そんな西井さんいわく、長野県は田舎道をのんびりと散歩のように自転車で走ることも、本格派のサイクリストも、どちらの楽しみも成立する貴重で魅力的なエリアだそう。

「日本アルプスや安曇野に代表されるような雄大な山々が間近に迫ってくるルートはもちろんのこと、中山道などの歴史的なルートもたくさんあります。車では気づかずに通り過ぎてしまうような場所も、自転車でゆっくり巡ると昔ながらの風景に出合えるのが長野県の魅力。一方で、本格派のサイクリストにとっては、残雪の美しいアルプスの山並みを眺めながら走れる『アルプスあづみのセンチュリーライド』や空に一番近いバイシクルロードといわれる『乗鞍ヒルクライム』などのサイクリングイベントも多く、インバウンドを含めて多くのサイクリストが長野県を訪れています」

こう話す西井さん。長野県は山岳地帯が多いので、乗鞍高原のほか、北アルプス山麓の栂池高原や志賀高原の渋峠など、登った達成感を味わえるルートが豊富にあるのも魅力です。

サイクリストなら一度は楽しんでもらいたい長野県の坂。
このうえない達成感が味わえるはず

旅を楽しむツールとしての
自転車のすすめ

そうしたなかで西井さんがとくにおすすめしたいと話すのが、旅を楽しむために自転車を上手に活用するツーリズム。

ガイド付きツアーは、旅をより一層思い出深いものにしてくれる
(写真提供:cazacle)

「自転車は歩くより圧倒的に遠くまで行けますが、車よりはゆっくりなので、いままで気がつかなかったものにもふと気づくことができます。地域の魅力を五感で感じ、旅を満喫するには最高のツールです」と語ります。

なかでもこれからサイクリングをはじめる人、興味がある人におすすめしたいのが、最近レンタルも増えているEバイク(電動アシスト付き自転車)だそう。

「Eバイクならどんな坂道でもまるで平坦のように登れ、得もいわれぬ快感や自転車の楽しさを味わえます。Eバイクなら運動嫌いな女性からも『もっと坂はないの?』と聞かれるような不思議な現象が起こります。電動といっても適度に自転車をこぐので、自力で走破した達成感もちゃんと得られます。それでも観光する体力は十分残せるほどですから、旅をしっかり楽しむことができます」

モーターがアシストしてくれるEバイク。
急勾配も息を切らさず登れる

Eバイクにもいろいろな種類がありますが、タイヤが細いロードバイクやクロスバイクといったスポーツタイプではなく、初心者でも安心して乗ることができる〝ママチャリ〟風のEバイクなら違和感なく乗りはじめることができるのだとか。また、西井さんが注目しているEバイクが、蓼科山麓に位置する立科町の「信州たてしな観光協会」が貸し出している、タイヤが太い「ファットバイク」とよばれるタイプのEバイク。身長135cmから利用できてタイヤが太いので横滑りせず、安定感があって乗りやすいそう。重そうな見た目を裏切る軽快な走りで、しかも135㎝から乗ることができるので、女性や子どもでも安心して楽しむことができます。

「霧ヶ峰高原やビーナスラインなどは路面の傷みが多いため、スポーツタイプのEバイクだと路面ばかりを気にしていてアップダウンがある道は景色を楽しむ余裕がなくなります。ファットバイクのEバイクなら雪や砂の上でも走れるほど路面の影響を受けにくいので、峠を登り切った先に広がる景色を存分に楽しむことができます。そうした楽しみを味わってから、本格派のスポーツバイクに乗るなど次のステップに進むのがよいでしょう」

Eバイクでラクラク登った坂道の先には
ご褒美の絶景が待っている!

視界をさえぎるものがない高原の風景や長野県の隠れた名所を探訪

西井さんがおすすめする長野県の自転車旅のエリアを聞きました。 ひとつが、先に記した霧ヶ峰高原から、周辺の高原や湖を結ぶ観光山岳道路・ビーナスラインへと続くルート。

雄大な景色が広がる霧ヶ峰高原。
さわやかな風を感じながら走って眺める風景はまた格別!

アップダウンはあるものの、霧ヶ峰高原まで登れば視界が開けた風景のなかを気持ちよく走ることができるそう。「特に夏場はエアコンの風を全身に浴びているような爽快感を味わえます。車やバイクでは味わいにくい、この絶妙なスピード感は自転車の特権ですね」と西井さん。

もうひとつが、東信州の旧中山道に続く「笠取峠」。江戸時代の面影を残す松並木が残る峠です。

約2kmにわたって松並木が続く景観が
江戸時代の中山道をしのばせる笠取峠

「歌川広重が描いた『中山道六十九次』の風景そのものを見ることができ、往時にタイムスリップしたような感覚が楽しめます。長野県内には奈良井宿や妻籠宿など江戸時代の風情を感じる町並みはありますが、歌川広重の浮世絵と同じ風景をいまでも見られるのが、笠取峠です。いままで掘り起こされていなかった長野県の隠れた魅力です」

では、自転車でそうしたディープな旅を楽しむためには、どうしたらよいのでしょう?

「おすすめはガイド付きのツアーに参加することです。ガイドは単なるルート案内人ではありません。観光マップやインターネットには出ていない情報を教えてくれたり、ガイドがいないと入れない施設を案内してくれたり、特別な旅を体験することができます。また、ガイドは車の往来が少ない裏道を案内してくれるので、ビギナーでも安心して走ることができます。ガイドがいると地元の人と触れあえる機会も多いので、ぜひガイド付きツアーに参加して、より充実した旅を楽しんでもらいたいですね」

観光はもちろんのこと、ロングライドもヒルクライムも楽しめる長野県。自分に合った旅を見つけてみませんか。

 

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